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広島高等裁判所松江支部 平成12年(ネ)44号 判決 2000年9月08日

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

一  控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人の請求を棄却する。

3  訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。

二  事案の概要

本件事案の概要は、原判決「事実及び理由」中の「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。

三  当裁判所の判断

当裁判所も、被控訴人の本訴請求は認容すべきものと認定判断するが、その理由は、次のとおり、付加、訂正、削除するほか、原判決「事実及び理由」中の「第三 争点に対する判断」に記載のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決6頁6行目の「第三者の」の次に「なした」を加える。

2  原判決6頁7行目の「継続した」を「継続し、時効が完成した」と改める。

3  原判決6頁8行目の「時効取得」の前に「登記を経由しなくても」を、同行目の「対抗」の前に「これに」を、それぞれ加える。

4  原判決6頁11行目の「第三者」の前に「右」を加える。

5  原判決7頁2行目の「したがって」を「これを本件についてみるに、前記「争いのない事実等」によれば」と改める。

6  原判決7頁5行目の「Bに」を「BがAから本件抵当権の設定を受けて」と、「経由されたものであるが」を「経由するに至ったところ」と、それぞれ改める。

7  原判決7頁6行目の「右登記」を「被控訴人において右抵当権設定登記」と、「13日から」を「13日の後」と、それぞれ改める。

8  原判決7頁9行目の「時効取得」の前に「登記を経由しなくても」を加え、同行目の「ことになる」を「というべきである」と改める。

9  原判決8頁1行目の「土地を」から同2行目の「認められるから」までを「抵当権設定登記の日である昭和58年12月13日の時点において本件土地を既に時効取得していることからすると、右登記後の継続した占有は善意、無過失の占有であると認めることができるから」と改める。

10  原判決8頁6行目の「といわなければならない」を「から、右時効による所有権の取得を、その旨の登記を経由しなくとも、株式会社B及び同社から本件抵当権を譲り受けた控訴人に対抗することができるというべきである」と改める。

11  原判決8頁7行目の「第三者」の前に「控訴人主張のように、」を加える。

12  原判決8頁7行目から8行目にかけての「ことさら権利保護要件として」を「権利保護要件と解するとしても」と改める。

13  原判決8頁9行目の「理由はないし、」から9頁1行目の行末までを「理由はない。また、控訴人は、控訴人が再度の時効取得の関係では独立した第三者の地位に立ち、控訴人と被控訴人間の関係は登記の有無によって律せられるべきである旨主張するが、控訴人は、時効取得により消滅することとなる抵当権の単なる譲受人であるにすぎず、登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する者とはいえないから、右主張は採用できない。」と改める。

よって、本件控訴は理由がない。

(裁判長裁判官 前川豪志 裁判官 石田裕一 植屋伸一)

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